モーニング娘。ミュージカル@中野サンプラザ【評価B】

私の中の期待が非常に小さかったこともあり、初見の感想としては『まあ、アリかな』と。事実左に座っていた20台女子二人組は楽しかったとと言っていたし、もう少し広い視点で眺める必要があろう。しかし、やはり気に食わない点も多いわけでありそこは指摘せざるを得ない。以下ネタばれ含む。
〇導入部:『財前』『テレビ開局88周年』等ホットなネタが含まれていて、意外とすんなり入り込むことが可能。逆にいうと、そのようなネタを使わないとダメなのが欠点なのであるが。。。導入後にオープニングロール、というのは今や珍しくないが初代FinalFantasyを思い出した。コレ結構好き。ところで、最も視線が行ったのは、田中のスカート。見えそうで見えないその長さ、絶妙である。
〇エコレンジャー登場:羅舞羅舞隊を思い出す。樫田氏はこういうのが好きなようだ。1人舞台俳優が混ざっているのだが、やはりダンスでは他のメンバーに劣る。それがヤケに目に付いた。
〇石川とオヤジの絡み:最悪。大声で言い合っているだけである。しかも訳の分からないエコ知識を披露しながらというものだから、見てられない。
〇さるかに合戦、フットサル部、スキヤキ部登場:ココでは物まねでの逃げ。飯田の先生コスチューム、パンツライン出ているかとチェックしたが無理だった。
〇新垣−高橋遠距離電話:後ほどそれが可能な理由が少しだけ出るのだが、それも意味不明。非常に苦しいシーンである。
〇シダ研究会:後のストーリーを見ると、オーディションする理由がわからない。演歌歌手を出す理由もわからない。ただ、藤本と辻を組ませたのは大正解。
〇石川−新垣−高橋のやり取り:こちらも説得方法に無理がある。
〇未来の体育館:舞台上−未来、舞台下−現代と構成しているが、もう少し工夫がほしい。
と、ココまでが前半1時間半なのだが、ストーリー的な進展はほとんど無い。15分あれば十分な内容である。残りの時間は、小ネタ・シチュエーションコントに費やしているのみ。無駄なエネルギーの消費である。


以下後半。
〇悩む加護:加護の間の取り方は非常に上手いと感心。ここでも、藤本がうまく機能している。これは、藤本の目に見えない不器用さによるものである。
〇責められる加護:あれ?味方だと思ってた藤本が、敵になってる。脚本樫田氏の宇宙的思考のなせる技である。
〇最後の体育館のシーン:お決まりの意見の早変わりシーンである。もう慣れたつもりであるがやはり気持ち悪くなる。高橋による人のせい発言は本日最大の気持ち悪さ。自分で考えようとしだしている人に対しての自己放棄発言は脚本家のセンスとしてありえない。助かった後の高橋の豹変振りもそれに拍車をかけた。
以上、前半は「まだましか」と思わせたが、後半はやはり失速。それもこれも、やはり脚本家樫田氏の常識の欠如が原因と思われる。常識を逸脱することが悪いと言っている訳ではない。しかし、それは常識を知った上で行わないと誰にも認めてもらえないということである。


『ライブは中途半端な形で始まるから要注意。浪漫がかかったらとりあえず飛べ』、とのアドバイスを受けていたため、ライブにはすんなり入り込むことができた。いや、いつも以上の盛り上がりで。なんせ正面に石川、藤本が来て、一緒に浪漫対決ができるものだからつい。距離が近いというのは何者にも変えがたいものである。